2012年10月5日金曜日

中国電力東京支社での申し入れの報告と「上関原子力発電所建設計画に関する中国電力への要請書」

本日10月5日(金)、上関どうするネットは、中国電力東京支社にて、同社に対する申し入れを行いました。同行くださったみなさま、取材におこしくださったみなさま、ありがとうございました。

以下は、本日中国電力に対し読み上げて手渡した要請書の全文です。pdfファイルはこちらです。


中国電力社長
苅田知英 様


2012年10月5日



上関原子力発電所建設計画に関する中国電力への要請書


【要請事項】
  1. 上関原子力発電所建設計画をただちに白紙撤回すること。
  2. 本年10月6日をもって失効する、上関原発建設予定地の公有海面埋め立免許の延長申請をしないこと。
  3. 田ノ浦及び田ノ浦周辺での陸上工事をただちに中止し、速やかに原状回復を行なうこと。

【要請理由】
 以下、私たちが上関原子力発電所建設計画に断固反対する理由を次の四つの点から述べます。

(a)「建設予定地田ノ浦周辺の自然環境への重大な影響」
 上関原発計画の予定地とされている山口県上関町田ノ浦周辺は、瀬戸内海の原風景と呼ぶべき、生物多様性の宝庫です。中国電力の原発建設計画では敷地面積33万㎡のうち、14万㎡が埋め立てによって造成されることとなっています。これは東京ドーム約3個分に当たる面積です。これほど広大な海面が埋め立てられれば、この「生物多様性の宝庫」が大きく損なわれることは必至です。しかし、中国電力は、生物多様性についてまったく理解を示そうとしないばかりか、長く育まれてきた地域の人々の絆をも引き裂いてきました。同社の姿勢は、企業としての社会的責任を放棄した、道義に悖るものです。

 昨年3月の福島第一原発事故は、原子力発電の孕む大きな問題を浮き彫りにしました(以下(b)(c))。

(b)「原子力発電自体の抱える深刻な問題」
 まず、原子力発電という技術自体が抱える問題です。福島の事故では、発電所から30キロ、50キロと遠く離れた地域にまで汚染が広がり、過酷事故のもたらす被害の甚大さをまざまざと見せつけました。
そもそも、原子力発電は、使用済み核燃料の処理という大きな難題を抱えています。国が開発を進めようとしている核燃料サイクル技術も、長い年月を費やしながら一向に実用化の見通しが立ちません。また、原子炉の運転に当たっては定期検査時等の被曝労働が不可避です。さらに、今後、新興国での原発建設がラッシュを迎えれば、天然ウランの枯渇の問題も浮上します。このように、原子力発電は、重大な事故の危険性を孕み、しかも次の世代に重い負債を残す技術で、成熟したものとは到底言えません。

(c)「原子力発電を推進してきた体制の孕む問題」
 福島の事故によって浮き彫りにされたもう一つの問題は、わが国における原子力発電を規制・監督する体制の不十分さです。日本の原子力行政は、「原子力ムラ」を中心とした極めて不透明で、データの隠蔽・捏造があっても、誰にもチェックできない、閉鎖的で不健全な土壌において推進されてきました。何を問われても「安全です、大丈夫です」一点張りの「安全神話」が形成されてきた所以です。
 このほど、新たな規制機関である原子力規制委員会、原子力規制庁が発足しました。しかしながら、委員に任ぜられたのは委員長を始め、原子力ムラとの結びつきが深いとされる人物ばかりです。規制庁にしても保安院からの横滑り人事で、元の所属省庁には戻らないというルールが設けられてはいるものの、従来のしがらみから本当に自由に、公平な立場で任に当たることができるのか、重大な疑義があります。かような体制では、真に公正な規制が行われるとは全く期待できません。
 今年の夏、2030年における日本のエネルギー政策に関するパブリック・コメントで、87%の人が原発ゼロを選択すると答えました。この結果は、上述の原子力発電を取り巻く現状を目の当たりにした、一般市民の偽らざる心情と言えます。政府の方針はいまだ一向に定まらず、今後の政策には不確実な要素が多々ありますが、国民の多くが原発ゼロを選んだことは紛れもない事実です。この状況で新規原発建設計画を強行することは、民意に逆行し、市民の信頼に背く蛮行です。

(d)「中国電力の不誠実な姿勢」
 福島での事故後、山口県内の15の自治体から、上関原発計画の中止や凍結を求める意見が出されています。ところが、中国電力は、各自治体からの声に耳を塞ぎ、計画を強硬に推進する姿勢を改めていません。さらに、予定地からわずか3.5km程の至近距離に暮らす祝島の住民が、過去30年以上にわたって強く反対し、身を挺して島の周辺の自然を守っています。仮に原発が建てられた場合、島の人たちは過酷事故の際に避難する術が一切ありません。にもかかわらず、中国電力は、何ら誠実な対応を示さず、(a)に記した田ノ浦の自然環境を尊重することなく建設計画を強引に進めようとしてきました。さらには、(b)に挙げた原子力発電の抱える数多くの重大な問題を無視し、将来性のない原子力発電に固執するという愚を犯し続けています。 しかも、(c)に述べたように、国の規制体制が信頼に程遠い現状を考えれば、上関原発建設計画は断じて容認できません。

 私たちは、祝島、上関から遠く離れた東京周辺に暮らすものです。しかし、田ノ浦の自然も、祝島の暮らしも、島国である日本の生活の原点に近い姿を保つものであり、未来の世代に引き継いでいかなければならない、貴重な文化だと考えています。それゆえ、長く上関原発計画に反対してきた祝島の人たちとともに、粘り強く上関原発計画の中止を求め続けていく強い覚悟を持って活動しています。
 私たちは中国電力の幾多の暴挙に強く抗議し、上記の三点を要請します。
以上



要請団体:上関どうするネット http://kaminoseki.blogspot.com/


E-mail dousuru_net@mail.goo.ne.jp 


連絡先:Fax 03-3357-3801 Tel. 03-3357-3800


(原子力資料情報室/伴)

0 件のコメント:

コメントを投稿