2019年11月11日月曜日

村岡嗣政山口県知事による海上ボーリング調査許可の撤回を求める声明

本日2019/11/11、上関どうするネットは、山口県知事と中国電力株式会社宛に抗議文を送付しました。こちらは、山口県知事宛の抗議文です。本文書のpdf版は https://yahoo.jp/box/nZoBFR からダウンロードいただけます。また末尾に jpeg 画像を貼り付けます。

村岡嗣政山口県知事による   
海上ボーリング調査許可の撤回を求める声明

2019年11月11日

山口県知事 村岡嗣政 様
上関原発どうするの? ~瀬戸内の自然を守るために~
(略称:上関どうするネット)
東京都中野区中央2—48−4 小倉ビル1階
TEL 03-6821-3211
(原子力資料情報室気付 担当伴)

 「上関どうするネット」は、首都圏で上関原発問題に関心を寄せる人たちが有志で構成している市民グループです。上関町や山口県の出身者や関わりのある人たちも多く加わっています。

 今般中国電力は、上関原発予定地の埋め立て海域内で「断層評価を目的」とする海上ボーリング調査の許可を山口県から得たとして、2019年11月8日から準備工事を14日からのボーリング調査を開始すると表明しています。

 このことは貴職の中国電力による海上ボーリング調査への許可が、その起点となっています。しかしながら、この許可そのものが無責任な行為であり、到底容認できるものでありません。今回の事態を引き起こしている貴職の許可行為について、怒りを禁じえません。今からでも遅くはありません。許可を取り消してください。

以下、許可撤回を求める根拠を述べます。

●許可と条例趣旨との不適合 ~ 漁業者の了解はあったのか
 報道によれば、貴職は今回の許可理由を「条例に基づき審査を行い、審査基準に適合していた」と説明しているとのことですが、条例に基づく「一般海域占用許可基準」には「許可の条件」として「申請書の記載事項に関する条件のほか、(中略)個々具体的な場合において種々の条件を附すことにより占用が一般海域の機能に支障を与えないよう措置するものとする」との要件が記されています。許可申請書には利害関係者の同意が明記されていますが、田ノ浦周辺を漁場とする祝島漁協の合意は得られていません。貴職は「海域周辺で漁業や遊漁が行われる可能性があり、事故やトラブルのないよう対処」することを中国電力に口頭で伝えたと報じられていますが、過去の経緯を考えれば、口頭通知で十分とは考えられません。貴職のこれまでの発表にはこれらについて一切触れられていませんが、報道などから判断するに、利害関係者の合意書の添付の有無を確認したとは考えられません。したがって、今回の許可は貴職が定めた条例に違反する行為だったといわざるを得ません

●着工見込みのない原発建設のためのボーリング調査を許可した理由が不明
 貴職は2019年7月26日に発出した平31商政第394号「上関原子力発電所建設予定地の埋立工事について(要請)」において、「発電所本体の着工時期の見通しがつくまでは、埋立工事を施行しないこと」と中国電力に要請していますが、このことは現時点で「発電所本体の着工時期の見通し」がないことの言明です。
 一方政府は現在も「原発の新規立地は行わない」としています。
 にも拘わらず、なぜ今、原発建設へ向けた海上ボーリング調査に対して許可を出したのでしょうか? 許可権者として、その判断根拠を県民や全国の市民に説明できるのか、大いに疑問です。仮に原発が建設されることになれば、貴職は県民の命を守る重責を負うことになります。単なる申請と許可という手続き論ではすまされません。

●海上ボーリング調査の環境影響への評価の不明
 海上ボーリング調査は中国電力のホームページでは「断層と上載地層の関係による断層評価を目的としたボーリング調査」となっています。櫓を組み機器を設置して穿孔するのですから、環境への影響を与えることになります。この環境影響をどのように評価して許可に至ったのかを明らかにするべきです。また、漁業者たちはボーリングに伴う音で魚が逃げると漁業への影響を指摘していますが、これもきちんと評価するべきです。どのように評価したのかを明らかにするべきです。こうした評価なく許可を与えることは許されません。

以上

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