2024年12月11日水曜日

国会ニュース vol. 29/2024年12月1日号が完成しました。

国会ニュース vol. 29/2024年12月1日号が完成しました。今回は、たくさんの、初めて国会議員に当選したみなさまに、上関に湧いている使用済み核燃料中間貯蔵施設建設計画について理解を深めていただけるよう、「上関原発止めよう!広島ネットワーク」の溝田一成さんに記事を書いていただきました。また、2009年の発足時からわたしたちの一員だった原子力資料情報室の伴英幸さんを悼むとともに、東京都三鷹市で開催された「みたかエコマルシェ」に出展させていただいた時のことを記事にしました。
このニュースレターは国会議員の皆様へのロビイングを行うために作成したのが始まりで、そのため「国会ニュース」という名前がついていますが、どなたにもダウンロードいただき、お読みいただけます。pdf は https://drive.google.com/file/d/1xmEkXI5afBZYOUAaBSbYlR-oQF7O0JIO/view からダウンロードいただけますので、ご利用くださいませ。下に、やや読みにくいものとなっていますが、イメージファイルを掲げます。

山口県上関町に、使用済み核燃料中間貯蔵施設を中国電力が計画 上関原発止めよう!広島ネットワーク   溝田 一成 使用済み核燃料中間貯蔵施設(以後「中間貯蔵施設」)建設計画が持ち上がるまでの動き 1982 年浮上の山口県上関原発計画は、3.11 福島原発事故を受けて、当時の山口県知事が公有水面埋め立て免 許の延長を認めないと表明したことなどにより埋め立て工事が中断し、政府も「原発の新設を想定していない」 としたため、前に進んでいません。 上関町の人口は 2190 人、この 42 年間で 3 分の 1 に減少し、少子高齢化になっています。原発交付金は約 8200 万円までに減少していました。上関町では、町おこしの方策を模索して、上関町議会が 2019 年に東海村の 乾式貯蔵施設、2021 年にはむつ市の中間貯蔵施設、2022 年には東海村の中間貯蔵施設を視察しています。 降ってわいた関西電力との共同の中間貯蔵施設の建設 2023 年 8 月 2 日、中国電力の幹部が上関町を訪れ、町長に中間貯 蔵施設の建設に向けた調査を申し入れました。役場前には多くの人が 詰めかけて抗議をしました。 8 月 18 日、臨時議会を開き西町長が報告説明をして、議員の意見 を聞き流し議会決議もせずに、中国電力に「調査受入れ」のファック スを送りました。この中間貯蔵施設の誘致の背景にあるのは、何らか の交付金が入るという期待です。また、山口県内の「上関原発建設計 画に反対する 2 市 4 町議会議員連盟」が、8 月 14 日から随時、上関 町を含め 2 市 4 町(上関原発 30km圏内)の「上関町・平生町・田 布施町・光市・柳井市・周防大島町」首長に対して、中間貯蔵施設建 設計画に反対の申入れをしました。8 月 25 日には、広島県内の「上 関原発止めよう!広島ネットワーク」など 6 団体が連名で、中国電力 に「上関への中間貯蔵施設撤回申入れ」をして回答を求めましたが、 明確な回答はありませんでした。 10 月 22 日、中国新聞が山口県内の 19 自治体首長に対し賛否のアンケートをした結果、「賛成」は上関町のみ で、その理由は「自治体の財政が安定する」「施設の安全性が一定に担保されている」「経済波及効果がある」と いうものでした。「どちらかというと反対」は岩国市のみで、「農水産業や観光、移住への影響を懸念」「電力会社 の説明が不足」「国の説明が不足」を理由にあげていますが、他の自治体の回答は「どちらでもない」「分からな い」でした。 使用済み核燃料中間貯蔵施設のボーリング調査 中間貯蔵施設は、160ha の上関原発の取得予定地内の原発建設予定敷地 51ha(埋立部分 14ha を含む)を除 く、109ha(反対派の土地を除く場所)の土地への建設が予想され、関西電力の 2000 トン以上の使用済み核燃 料の貯蔵が想定されていますが、中国電力は詳細をいまだ公表していません。 中国電力は、立地の可能性を探るためのボーリング調査を今年 2024 年 4 月 23 日から開始しました。工事用の モノレールの通路の占有許可の場所は届け出書でわかりましたが、詳細な調査場所は公表されていません。11 月 14 日に 11 箇所を掘削し終え、今後半年ぐらいかけて分析を実施し立地可能性を発表する予定のようです。 私たちは、中間貯蔵施設もいらない、上関原発計画反対として運動を続けていきます。伴英幸さんを偲ぶ 2024 年 6 月 10 日、原子力資料情報室共同代表の伴英幸さんが逝去、11 月 17 日に東京・日暮里で偲ぶ会が行われました。伴さんは 1990 年から原子力資料情 報室のスタッフに、1998 年から共同代表を務め、日本の脱原発運動を支え、国 内外に情報を発信してきました。また 2009 年からは上関どうするネットのメン バーとしても中心的な役割を担ってきました。 2011 年 3 月 11 日の東京電力福島第一原発事故の際は、連日メディアに出演 し、事故の情報を正確に伝え続けました。また、政府の国会エネルギー調査会有 識者チームや、経済産業省 総合資源エネルギー調査会、原子力委員会の委員も 務めました。政府の委員会などでは、原子力推進の委員が多数でしたが、伴さんは科学的知見から原子力に反対 する意見を述べたとのことでした。 偲ぶ会では伴さんと縁のあった各界の皆さんが日本全国から、また海外からも参加され、伴さんとの思い出や エピソードが披露されましたが、伴さんの気さくで温かいお人柄に皆さん、信頼と敬愛の気持ちを寄せていまし た。また、伴さんは全国各地に何度も足を運んで、自分の目と耳で確かめ、人とのつながりをとても大事にする 人だということも多くの方がおっしゃっていました。 原子力資料情報室は脱原発の社会をめざしています。しかし、意見の違う人たちとの対話を閉ざしてはいけな い、対立をあおるのではなく、より良い道を探っていくことが大事だといつも伴さんは口にしていたそうです。 当日は、伴さんが長年率いてこられた脱原発運動の足跡をたどり、皆で原発のない社会の実現に向けて歩んでい きましょう、という気持ちが充ち溢れた偲ぶ会でした。 みたかエコマルシェに初出展 11 月 10 日、みたかエコマルシェに、上関どうするネットが初めてブースを出し、びわ茶や桜塩などの祝島の 地域物産をならべ、あたらしく改訂したリーフレットなどを配布しました。 みたかエコマルシェは、三鷹駅南口商店街の歩行者天国を借り切っての、市民と商店街の稀有なコラボイベン ト。商店が軒を並べる生活道路の両側に、主催市民電力団体のみたか市民協同発電や、太陽光発電所ネットワー ク、こだいらソーラーなどの環境市民団体のほか、自然食の食材やお酒のお店、有機野菜の八百屋、クラフトシ ョップやリサイクルショップなど、20 ほどのテントが並び、道ゆく人たちに向けて口々に、ユニークにアピール をしていました。 ここ歩行者天国では、毎月クラフトショップマルシェが開催されており、 環境に思いを寄せる団体がそこに参加するうち、独立して環境マルシェとし て、年に一度秋に開催するようになったものです。お客さんは三鷹駅を利用 する地域の人たち。ホコ天でのびのびと歩きながら、ブースをのぞいたり、 子ども連れでクイズラリーに参加して景品をゲットしたりと、地域の人たち にもマルシェの楽しさが浸透しているよう。都心の大がかりな環境イベント とちがい、地域密着型のエコマルシェでは、立ち寄る地域の皆さんに、上関 原発計画や近年浮上している使用済み核燃料中間貯蔵施設の問題を聞いていただくことができました。 さて、どうするネットのクイズラリーの問題は、上関町の海に浮遊するスナメリは、①クジラのなかまか ②イ ルカのなかまかというもの。皆さんはどちらと答えますか。

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