2025年11月5日水曜日

2025年12月6日湯浅一郎さん講演会「上関中間貯蔵施設と核燃料サイクルの破綻」

上関どうするネットは、ふぇみん婦人民主クラブと共催で、久しぶりに、皆さんと顔を合わせての講演会を開催します。予約は不要でず。ぜひお越しください。pdf版のチラシは https://drive.google.com/file/d/1pkalPwo6gQyvEVtRLB8sAS5N5GheDao2/view よりご利用いただけます。

2025年10月27日月曜日

藤堂史明さん「柏崎における原発経済神話の実相」録画公開

 

2023年、山口県の上関町長は国に対し「原発による町づくりを国として支援、協力してほしい」と要請を行いました。中国電力は、地域振興策として使用済み核燃料中間貯蔵施設の建設を提案し、施設の立地可能性調査を実施、今年8月29日に調査結果として「建設に問題はない」と発表を行いました。
使用済み核燃料中間貯蔵施設が本当に地域経済を活性化させるのでしょうか?
こうした疑問を抱えて、上関どうするネットでは8月27日、国立大学法人新潟大学経済科学部教授 藤堂史明さんに「柏崎における原発経済神話の実相」と言うタイトルでお話を伺いました。上記の、中国電力による適地判断発表はその二日後でした。
録画の公開が大変遅くなりましたが、公開にあたり藤堂先生から資料の公開許可もいただきました。ぜひお役立てください。
 
「柏崎における原発経済神話の実相」
藤堂史明さん(新潟大学経済科学部教授)
◆録画

2025年10月4日土曜日

国会ニュース vol. 31 (2025年9月23号)が完成しました。

 

上関どうするネットの国会ニュース vol.31 2025年9月23日号を、遅くなりましたが、公開します。
おもて面は「山口県上関町における使用済み核燃料中間貯蔵施設建設計画と国政の課題」、裏面は去る8月27日、新潟大学経済科学部教授の藤堂史明さんを講師に行った勉強会についての報告です。
掲示のものはイメージファイルですが、
にpdfファイルがございますので、どうぞご利用ください。



2025年4月18日金曜日

5月12日(月)「奇跡の海」に核のゴミ?! 上関中間貯蔵施設計画の白紙撤回を求める院内集会

 【拡散希望】5月12日、衆議院第二議員会館「第四会議室」にて、山口県で上関原発計画および使用済み核燃料中間貯蔵施設建設計画に反対する5団体主催の院内集会が開催されます。上関どうするネットも協力します。ぜひご参集ください。
*この集会に関するお問い合わせは、主催団体の一つである原水爆禁止山口県民会議(山口市元町3-49、Tel 083-922-1841)までお願いします。
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「奇跡の海」に核のゴミ?!
上関中間貯蔵施設計画の白紙撤回を求める院内集会
中間貯蔵施設建設が予定されている山林と海域。大規模な森林伐採や工事機材搬入の港湾建設のため広範な 海の埋め立てが必要になると予想されます。貴重な生態系や漁業への影響が懸念されます。
日時 2025年5月12日(月) 11:00~13:00(開場10:30)
場所 衆議院第二議員会館「第四会議室」
講師 広島県自主防災アドバイザー 越智秀二さん
   京都大学名誉教授 加藤真さん
2023 年8月、中国電力は関西電力と共同で、原子力発電所の使用済み核燃料を保管する中間貯蔵施設について、山口県上関町に建設を検討していることを明らかにしました。現在は、現地で行われていた建設可否を判断するためのボーリング調査が終わり、適地判断に向けた調査の分析が進められています。
予定地周辺は、世界的な絶滅危惧種カンムリウミスズメなどが生息する生物多様性のホットスポットであり、環境省の生物多様性の観点から重要な海域にも選定されています。工事により大規模な自然破壊や漁業への影響が懸念されます。
また南海トラフ地震や津波など過酷事故が起これば瀬戸内海全体が汚染されてしまいます。
この集会において、中間貯蔵施設の問題点や上関町現地の状況を知っていただき、計画の白紙撤回に向け た運動をより前進させていきたいと思います。ぜひご参加ください。
日時 2025年5月12日(月)時間11:00~13:00(開場10:30)
場所 衆議院第二議員会館「第四会議室」(永田町2-2-1)
プログラム
10:30開場
11:00開会~主催者あいさつ
現地報告
講演①
*「地形と地質から見た上関への原子力施設建設の危険性  〜瀬戸内海西部の歪蓄積度と活断層の状況〜」
広島県自主防災アドバイザー 越智秀二さん
講演②
*「瀬戸内海、周防灘、上関の自然とその価値」
京都大学名誉教授 加藤真さん
13:00終了
【主催】原発に反対する上関町民の会◆上関原発を建てさせない祝島島民の会◆上関の自然を守る会◆原発いらん!山口ネットワーク◆原水爆禁止山口県民会議
【問合せ】山口市元町3-49 Tel 083-922-1841(原水爆禁止山口県民会議)
以上


 

2025年4月13日日曜日

国会ニュースVol. 30/2025年4月10日号が完成しました。

上関どうするネット国会ニュースVol.30が完成しました。下に、やや読みにくいイメージファイルを掲げます。pdf は https://drive.google.com/file/d/1zP1RzASLaAlHPHaSScT7xFMQ3OuXNaBW/view?usp=drive_link からダウンロードできますので、ご利用くださいませ。
 

【内容】
おもて面記事:「瀬戸内海を守ろう! 山口県上関町の原発建設計画・使用済み核燃料施設建設計画にNO!」

山口県上関町の使用済み核燃料施設建設計画についての概略、周辺自治体の動き、中国電力と関西電力との関係など。

うら面記事: 裏面は瀬戸内関連の記事3点を、「上関どうするネット国会ニュース」のバックナンバーよりピックアップしました。

  • 「上関:瀬戸内海の原風景が残る場所 佐藤正典さん(鹿児島大学名誉教授)vol.20 2022年9月15日号より」
  • 「瀬戸内海の豊かさと原発ーリヒトホーフェンの懸念を念頭にー 湯浅一郎さん(海洋環境学者)Vol.15 2015年9月18日号より抜粋」
  • 「2014 年 9 月 22 日号(Vol.13)『民話における瀬戸内海西部の津波伝承』より」

紙面の都合により、一部省略、あるいは編集加筆していますが、QRコードにより佐藤さんと湯浅さんのお話に飛べるようになっています。また、金折裕司さんの論文「太鼓岩の大太鼓
―1361年正平地震による瀬戸内海の津波に関する伝承―」は https://www.jstage.jst.go.jp/.../55/3/55_118/_pdf/-char/ja に公開されています。

ご高覧いただければ幸いです。



2024年12月11日水曜日

国会ニュース vol. 29/2024年12月1日号が完成しました。

国会ニュース vol. 29/2024年12月1日号が完成しました。今回は、たくさんの、初めて国会議員に当選したみなさまに、上関に湧いている使用済み核燃料中間貯蔵施設建設計画について理解を深めていただけるよう、「上関原発止めよう!広島ネットワーク」の溝田一成さんに記事を書いていただきました。また、2009年の発足時からわたしたちの一員だった原子力資料情報室の伴英幸さんを悼むとともに、東京都三鷹市で開催された「みたかエコマルシェ」に出展させていただいた時のことを記事にしました。
このニュースレターは国会議員の皆様へのロビイングを行うために作成したのが始まりで、そのため「国会ニュース」という名前がついていますが、どなたにもダウンロードいただき、お読みいただけます。pdf は https://drive.google.com/file/d/1xmEkXI5afBZYOUAaBSbYlR-oQF7O0JIO/view からダウンロードいただけますので、ご利用くださいませ。下に、やや読みにくいものとなっていますが、イメージファイルを掲げます。

山口県上関町に、使用済み核燃料中間貯蔵施設を中国電力が計画 上関原発止めよう!広島ネットワーク   溝田 一成 使用済み核燃料中間貯蔵施設(以後「中間貯蔵施設」)建設計画が持ち上がるまでの動き 1982 年浮上の山口県上関原発計画は、3.11 福島原発事故を受けて、当時の山口県知事が公有水面埋め立て免 許の延長を認めないと表明したことなどにより埋め立て工事が中断し、政府も「原発の新設を想定していない」 としたため、前に進んでいません。 上関町の人口は 2190 人、この 42 年間で 3 分の 1 に減少し、少子高齢化になっています。原発交付金は約 8200 万円までに減少していました。上関町では、町おこしの方策を模索して、上関町議会が 2019 年に東海村の 乾式貯蔵施設、2021 年にはむつ市の中間貯蔵施設、2022 年には東海村の中間貯蔵施設を視察しています。 降ってわいた関西電力との共同の中間貯蔵施設の建設 2023 年 8 月 2 日、中国電力の幹部が上関町を訪れ、町長に中間貯 蔵施設の建設に向けた調査を申し入れました。役場前には多くの人が 詰めかけて抗議をしました。 8 月 18 日、臨時議会を開き西町長が報告説明をして、議員の意見 を聞き流し議会決議もせずに、中国電力に「調査受入れ」のファック スを送りました。この中間貯蔵施設の誘致の背景にあるのは、何らか の交付金が入るという期待です。また、山口県内の「上関原発建設計 画に反対する 2 市 4 町議会議員連盟」が、8 月 14 日から随時、上関 町を含め 2 市 4 町(上関原発 30km圏内)の「上関町・平生町・田 布施町・光市・柳井市・周防大島町」首長に対して、中間貯蔵施設建 設計画に反対の申入れをしました。8 月 25 日には、広島県内の「上 関原発止めよう!広島ネットワーク」など 6 団体が連名で、中国電力 に「上関への中間貯蔵施設撤回申入れ」をして回答を求めましたが、 明確な回答はありませんでした。 10 月 22 日、中国新聞が山口県内の 19 自治体首長に対し賛否のアンケートをした結果、「賛成」は上関町のみ で、その理由は「自治体の財政が安定する」「施設の安全性が一定に担保されている」「経済波及効果がある」と いうものでした。「どちらかというと反対」は岩国市のみで、「農水産業や観光、移住への影響を懸念」「電力会社 の説明が不足」「国の説明が不足」を理由にあげていますが、他の自治体の回答は「どちらでもない」「分からな い」でした。 使用済み核燃料中間貯蔵施設のボーリング調査 中間貯蔵施設は、160ha の上関原発の取得予定地内の原発建設予定敷地 51ha(埋立部分 14ha を含む)を除 く、109ha(反対派の土地を除く場所)の土地への建設が予想され、関西電力の 2000 トン以上の使用済み核燃 料の貯蔵が想定されていますが、中国電力は詳細をいまだ公表していません。 中国電力は、立地の可能性を探るためのボーリング調査を今年 2024 年 4 月 23 日から開始しました。工事用の モノレールの通路の占有許可の場所は届け出書でわかりましたが、詳細な調査場所は公表されていません。11 月 14 日に 11 箇所を掘削し終え、今後半年ぐらいかけて分析を実施し立地可能性を発表する予定のようです。 私たちは、中間貯蔵施設もいらない、上関原発計画反対として運動を続けていきます。伴英幸さんを偲ぶ 2024 年 6 月 10 日、原子力資料情報室共同代表の伴英幸さんが逝去、11 月 17 日に東京・日暮里で偲ぶ会が行われました。伴さんは 1990 年から原子力資料情 報室のスタッフに、1998 年から共同代表を務め、日本の脱原発運動を支え、国 内外に情報を発信してきました。また 2009 年からは上関どうするネットのメン バーとしても中心的な役割を担ってきました。 2011 年 3 月 11 日の東京電力福島第一原発事故の際は、連日メディアに出演 し、事故の情報を正確に伝え続けました。また、政府の国会エネルギー調査会有 識者チームや、経済産業省 総合資源エネルギー調査会、原子力委員会の委員も 務めました。政府の委員会などでは、原子力推進の委員が多数でしたが、伴さんは科学的知見から原子力に反対 する意見を述べたとのことでした。 偲ぶ会では伴さんと縁のあった各界の皆さんが日本全国から、また海外からも参加され、伴さんとの思い出や エピソードが披露されましたが、伴さんの気さくで温かいお人柄に皆さん、信頼と敬愛の気持ちを寄せていまし た。また、伴さんは全国各地に何度も足を運んで、自分の目と耳で確かめ、人とのつながりをとても大事にする 人だということも多くの方がおっしゃっていました。 原子力資料情報室は脱原発の社会をめざしています。しかし、意見の違う人たちとの対話を閉ざしてはいけな い、対立をあおるのではなく、より良い道を探っていくことが大事だといつも伴さんは口にしていたそうです。 当日は、伴さんが長年率いてこられた脱原発運動の足跡をたどり、皆で原発のない社会の実現に向けて歩んでい きましょう、という気持ちが充ち溢れた偲ぶ会でした。 みたかエコマルシェに初出展 11 月 10 日、みたかエコマルシェに、上関どうするネットが初めてブースを出し、びわ茶や桜塩などの祝島の 地域物産をならべ、あたらしく改訂したリーフレットなどを配布しました。 みたかエコマルシェは、三鷹駅南口商店街の歩行者天国を借り切っての、市民と商店街の稀有なコラボイベン ト。商店が軒を並べる生活道路の両側に、主催市民電力団体のみたか市民協同発電や、太陽光発電所ネットワー ク、こだいらソーラーなどの環境市民団体のほか、自然食の食材やお酒のお店、有機野菜の八百屋、クラフトシ ョップやリサイクルショップなど、20 ほどのテントが並び、道ゆく人たちに向けて口々に、ユニークにアピール をしていました。 ここ歩行者天国では、毎月クラフトショップマルシェが開催されており、 環境に思いを寄せる団体がそこに参加するうち、独立して環境マルシェとし て、年に一度秋に開催するようになったものです。お客さんは三鷹駅を利用 する地域の人たち。ホコ天でのびのびと歩きながら、ブースをのぞいたり、 子ども連れでクイズラリーに参加して景品をゲットしたりと、地域の人たち にもマルシェの楽しさが浸透しているよう。都心の大がかりな環境イベント とちがい、地域密着型のエコマルシェでは、立ち寄る地域の皆さんに、上関 原発計画や近年浮上している使用済み核燃料中間貯蔵施設の問題を聞いていただくことができました。 さて、どうするネットのクイズラリーの問題は、上関町の海に浮遊するスナメリは、①クジラのなかまか ②イ ルカのなかまかというもの。皆さんはどちらと答えますか。

2024年9月9日月曜日

国会ニュースvol. 28、2024年8月20日号を修正しました。

先日公開した、国会ニュースvol. 28、2024年8月20日号ですが、一カ所、暦年に間違いがありました。環境省から「生物多様性の観点から重要度の高い海域」の沿岸域区分の一つ「長島・祝島周辺」として抽出されたのは、2014年でした。新しい版の pdf は https://drive.google.com/file/d/1USJg6Cnf_zszC1WWBbcl7MofLAMFULp9/view?usp=sharing にございますので、ぜひご利用ください。

「生物多様性国家戦略」を反故にする使用済み核燃料中間貯蔵施設計画 2024年4月23日、中国電力は山口県上関町長島の一画でボーリング調査を開始しました。これは上関町が2023年8月、中国電力からの提案——関西電力と共同で利用する使用済み核燃料中間貯蔵施設(以後中間貯蔵施設)の立地可能性調査——を受け入れたことによるもので、調査は約半年の予定とのことです。中間貯蔵施設建設計画については上関町内でも反対する人が半数を占め、周辺自治体でも基地を抱える岩国市をはじめ慎重さを求める意見や不安の声が多くあがっています。 計画地は生物多様性の源 今回焦点となっているのは中間貯蔵施設建設計画ですが、中国電力は、1982年に浮上していまだ建設できていない上関原発計画についても「今後も必要」と繰り返し述べています。しかし、上関原発計画地は、「上関の自然を守る会」の長年の調査により生物多様性のホットスポットであることが確認されています。その環境を生み出す母体となるのが中間貯蔵施設建設計画地のある長島の緑深い森です。 中間貯蔵施設をつくるためには広く平坦な場所と大きな港 湾を必要とするため、山が削られ海の埋め立てが行われることは必至で、生物多様性の喪失が懸念されます。 瀬戸内海は宝の海 中国電力が進めようとする原発と中間貯蔵施設建設計画地は、瀬戸内海の西側、黒潮が出入りする正面に当たります。外海との潮の出入り、灘と瀬が連続的に続くことから生じる潮の上下動といったダイナミックな自然の営みにより瀬戸内海は“日本の食糧庫”ともいえる魚種豊かな海となっています。海を埋め立てることは海を弱らせることに他なりません。また、もし中間貯蔵施設が建設され万一のことがあったら、閉鎖性水域の瀬戸内海は甚大なダメージを受けることでしょう。 直近の8月8日、日向灘でM7.1の地震が起き、南海トラフ地震との関連も懸念されています。 上関の海は国の保護制度のもとにある 今、地球は「沸騰化」というほどの気候変動と生物多様性の危機に直面しています。こうした地球規模の危機を回避するため、各国が国際的な気候変動枠組み条約や生物多様性条約などに基づき努力を続けています。上関周辺の海は、その一環として2011年海洋保護区として生物多様性条約事務局に登録され、2014年環境省による「生物多様性の観点から重要度の高い海域」の沿岸域区分の一つ「長島・祝島周辺」として抽出されました。中国電力の敷地はこうした海域のただなかにあります。 更に、政府は2023年3月、「生物多様性国家戦略2023-2030」を閣議決定し、「陸と海の30%以上を保護区にする」という行動目標を掲げました。この目標を達成するためには中国電力の緑豊かな土地を改変することは許されないはずです。 中間貯蔵施設の建設は原発の新増設にもつながります。私たちは原発のない、核汚染の心配のない世界を求めます。中国電力と関西電力の共同事業である上関の中間貯蔵施設建設計画には断固反対です。

青森県むつ市の使用済み核燃料中間貯蔵施設の現況 上関町が地域振興策のためという理由で立地調査を受け入れた中間貯蔵施設ですが、現在国内で建設されている中間貯蔵施設は、東京電力と日本原電が共同出資している、むつ市にあるリサイクル燃料貯蔵株式会社(RFS)です。青森県の宮下知事は8月に、使用済み核燃料の搬入を認める安全協定をRFSと締結しました。安全協定の締結にあたり県は7月に県内6カ所で住民説明会を、むつ市で2回の市民説明会を開催しました。 そこで出た主な質問は、「使用済み核燃料を50年保管した後はどこへ搬出するのか? 搬出は確約できるのか?」というものでした。返答は、「搬出先は六ヶ所再処理工場です」でしたが、六ヶ所再処理工場は着工から31年たっても完成の目途が無いことを指摘されると、「その頃稼働している再処理工場へ搬出します」と翻しました。また、保管中に放射能漏れなどのトラブルがあった場合はどうするのか?」の質問には、「搬出して点検、その時に協議します」との現実味のない返答でした。 知事は、「齋藤経産大臣の、搬出先として六ヶ所再処理工場を念頭に検討を始めるとの発言により懸念は一転した」と述べていますが、何の保証にもならないことは明白です。しかし、青森県とRFSが安全協定を締結したことにより9月までに東京電力柏崎刈羽原発の使用済み核燃料がRFSに搬入される計画です。 中間貯蔵施設は一般の工場誘致とは異なります。かように重大な問題を孕む中間貯蔵施設の立地調査を、地域住民への丁寧な説明はほとんどないまま上関町長は受け入れました。もしも建設に至る場合、「中間貯蔵」が「永久貯蔵」になるのではないかとの懸念は払しょくされていません。また、搬入されるのは関西電力の使用済み核燃料です。「なぜ山口県に関西電力の核のゴミを持ち込むのか」という声も挙がっています。 中国電力・関西電力、上関町は町民と周辺自治体に対して、中間貯蔵施設のメリット・デメリットを隠すことなく説明する機会を設け議論を深める必要があるはずです。故郷に誇りをもつ、危険な施設と隣り合わせに暮らすことはできないという人々の切実な思いを真摯に受け止めるべきです。 使用済み核燃料中間貯蔵施設に関するオンライントークのYouTube動画 ①瀬戸内の『奇跡の海』に使用済み核燃料中間貯蔵施設?! (ゲスト:安渓遊地/安渓貴子/高島美登里) ②なぜ関電が中間貯蔵施設を上関町に作るのか? (ゲスト:末田一秀) https://youtu.be/-cjgl7n3O28 https://youtu.be/yVqSCLKCtSo  祝島神舞~海を渡る祭り 山口県上関町祝島では今年8年ぶりの神舞が開催されました。神舞は、約1200年前京都の石清水八幡宮の御分霊を勧請しての帰途祝島に漂着した大分県国東市国見町伊美の人たちを、祝島の住人が厚くもてなしたことをきっかけとして始まりました。伊美の人たちから荒神をまつることと農耕を教わった祝島の人たちは、そのお礼として毎年伊美別宮社に「お種戻し」に参拝し、4~5年ごとに伊美別宮社から神職や里楽師の皆さんを迎えて感謝の祭事、神舞を行うようになりました。(参照:山口県文書館HP) 現在祝島の人口は約270人、その中で実際に動ける人はそう多くはありませんが、先人の残してくれた文化遺産を後世に伝えたいという思いで開催を決めたとのことです。一方の伊美でもやはり高齢化が進み後継者(里楽師)の育成が課題となっているそうです。そうした状況のもと、従来は5日間だった開催期間が3日に短縮され、仮神殿は小学校の体育館に作られました。海上パレードも小規模になりましたが、祝島と伊美の人たちとの交流を改めて感じさせられるものでした。原発計画のためかつて二度の中止を余儀なくされながら神舞を復活させ、更に後世に伝えるために尽力する祝島の人たちの心意気を応援したいと思います。